【沖縄で使える方言一覧付き】沖縄の方言の歴史と法則をご紹介!若者が喋れず消滅の危機?
こんにちは! 沖縄なうです。
日本に数ある方言の中でも、沖縄の方言である「しまくとぅば」はとても独特の発音をしていますよね! 独特なために印象に残っているという方も少なくないのではないでしょうか?
「沖縄の方言って、どんなのがるの?」
「沖縄の方言はなぜ、あんなに独特なの?」
「沖縄の方言に法則はあるの?」
という疑問を持っている方々のために今回は
- 沖縄方言の歴史
- 沖縄の方言の種類
- 法則と変換方法
- 方言の法則
などについてご紹介します!
沖縄で使える方言一覧も用意しているので参考にしてみてくださいね!
沖縄方言の歴史
沖縄の方言である「しまくとぅば」は印象的ですが、実は奈良時代までは本島と同じ言葉を話していました。しかし、奈良時代以降に言葉が分かれたため、沖縄の方言には日本古来の日本語が変化して残っている言葉が多数あります。
例えば、「めんそーれ」は古来の日本語である「参り候え」が変化した言葉という説があります。
沖縄の方言が現代人にとって理解しにくいのは、現代日本人が使用しない言葉が含まれているからなのです。沖縄の方言を勉強することで古い日本語を知る機会にもなるかもしれませんよ。
沖縄方言には種類が多数ある
沖縄の方言は、奈良時代に本土と言葉が分かれてから小さい島ごとに発展してきました。独自に発展を遂げたため、地域ごとに多少の違いがあります。
沖縄の方言の中でも有名な「ウチナーグチ」は、沖縄中南部を中心に広く使用されている沖縄の方言です。
他には、奄美大島や宮古島など島ごとに違う方言が使用されています。
沖縄本島に住んでいる人でも離島の人の言葉がわからないこともあるほど独自に発展を遂げているのです。地方によって違いはありますが、沖縄の方言を一括りにして「しまくとぅば」と読んでいます。
沖縄方言の法則と変換方法を紹介
沖縄の方言である「しまくとぅば」は地方によって多少違いがありますが、今回は沖縄に訪れた際に一番耳にしやすいであろう沖縄中南部の方言「ウチナーグチ」について変換方法を解説していきます。
一見、法則が無いように感じる沖縄中南部で生まれた「ウチナーグチ」ですが、実は法則があるのです。
その法則を表にすると以下のようになります!
標準語の母音 | ウチナーグチの母音 |
あ(a) | あ(a) |
い(i) | い(i) |
う(u) | う(u) |
え(e) | い(i) |
お(o) | う(u) |
き(ki) | ち(chi) |
これを見てもらうと分かるとおり「ウチナーグチ」の母音は「あ」「い」「う」の3種類しかありません。
沖縄(okinawa)のことをウチナー(uchina)と呼ぶのは、この法則があるからなんです。
他にも、母音が連続すると以下の表のように変化するという法則もあります。
標準語 | ウチナーグチ |
あい(ai) | えー(e:) |
あえ(ae) | えー(e:) |
あう(au) | おー(o:) |
あお(ao) | おー(o:) |
おえ(oe) | いー(i:)、えー(e:) |
例えば「前(mae)」は「めー(me:)」となります。
これらの法則を覚えておけば、独特に感じるウチナーグチも理解しやすいですよ! 他にも細かく法則がありますが、これを覚えておくだけで理解しやすくなるので覚えておきましょう。
沖縄方言の一覧
せっかく沖縄に訪れたのなら方言で会話してみたいと思う人も多いのではないでしょうか?
ただ、法則がわかってもすぐに使うのは難しいですよね……。
そこで、ここでは挨拶や告白、黄金言葉について一覧にまとめてご紹介します。
挨拶編(ありがとう、さようならetc…)
沖縄を訪れた際に覚えておくと便利な挨拶についてご紹介します。
標準語 | ウチナーグチ |
こんにちは(男性) | はいさい |
こんにちは(女性) | はいたい |
いらっしゃいませ | めんそーれ |
ありがとう | にふぇーでーびる |
さようなら | ぐぶりーさびら |
お疲れ様 | たいみそーちー |
いただきます | くわっちーさびら |
ごちそうさま | くわっちーさびたん |
最近は、女性でも「はいさい」を使用することが多いようですが、正しくは女性は「はいたい」を使用します。
沖縄方言には女性言葉というものが残っている為、このように分かれているのです!
また、「いらっしゃいませ」という意味である「めんそーれ」は那覇空港について一番最初に目にする沖縄方言です。
沖縄に来て一番耳にする方言なので覚えておきましょう。
告白編(好き、かわいいetc…)
普段から標準語を話す人にとって方言での告白に憧れがありますよね。
そこで次は、沖縄方言の告白についてご紹介していきます。
標準語 | ウチナーグチ |
好きです | 好きさぁ〜 |
とっても好きです | でーじ、好きさぁ〜 |
私の彼女になってくれない? | わんのイナグーになってくれん? |
可愛い | ちゅらかーぎー |
愛してるよ | かなさんどー |
「好きさぁ〜」はとても可愛らしい印象を受けますね、好きな女の子に沖縄方言で告白をされたら可愛くてメロメロになってしまいそうです。
ちなみに彼女は「イナグ」、彼氏は「イキガ」というので覚えておきましょう!
黄金言葉(くがにくとぅば)編
黄金言葉(くがにくとぅば)とは、沖縄の風土の中で生まれた教えです。
学問的に使用されていることわざとは違い、地方で語り継がれてきた教訓のようなものを指します。
意味 | 黄金言葉 |
なんとかなるさ | なんくるないさー |
出会えば皆兄弟 | いちゃりばちょーでー |
命こそ宝 | ぬちどぅ たから |
根が強いと枝も強い | にーぬつうらばどぅ ゆだあつうる |
苦労 苦しさ 今の一時 | あわり くりしゃん なまぬびぃとぅとぅき |
家での行いや習慣が外に出た時に表われる | やーなれーる ふかなれー |
なんとなく聞いたことのある言葉もあったのではないでしょうか?
沖縄には、暗い歴史があるからこそ様々なことが教訓として語り継がれています。
今回ご紹介したのは、一部でしかありませんが、沖縄に住んでいる方以外にもタメになる言葉が多くあるのでお気に入りの黄金言葉を探してみてくださいね!
沖縄の方言を若者が喋れず消滅の危機?
現在、古来より伝わっている「しまくとぅば」を話す人が減っており沖縄の方言が消滅する危機だと言われています。
事実、平成21年にはユネスコの「消滅の危機に瀕する言語」に指定をされました。
「しまくとぅば」が衰退している要因は、政府から標準語の使用が推進されたことと、核家族化が進んだことが考えられます。
それぞれについて解説していきます!
政府から標準語の使用が推進された
明治時代に政府が標準語の使用を推進した結果、沖縄の学校で「しまくとぅば」の使用を禁止していました。
沖縄の学校では「しまくとぅば」を使用した子どもは「方言札」をぶら下げるという罰があったとか……。
方言札は、他の人が「しまくとぅば」を話してしまうまでぶら下げ続けるという厳しいものです。明治政府は罰を用意してまで沖縄方言(しまくとぅば)を排除しようとしました。
誰もが罰を受けたくないので、次第に「しまくとぅば」を使う頻度が減っていきます。標準語の推進が昭和まで続いた影響によってしまくとぅばを話す人が減ったと言われています。
核家族化が進んで方言に触れる機会が減った
核家族化が進んだことも沖縄方言の衰退に繋がっていると言われています。
核家族化が進む前には、年配の方々と接する機会が多かったので沖縄方言に触れるのが当たり前でした。
しかし、核家族化が進んだことによって年配の方と話す機会がだんだん減っています。年配の方々と話す機会が減ると自然と「しまくとぅば」に触れる機会も減っていくのです。
「しまくとぅば」に触れる機会が減っていけばいずれ消滅してしまうでしょう。
若者はウチナーヤマトグチを話している
現在の若者が使用している方言は「ウチナーヤマトグチ」という戦後に新しく生まれた方言を話しています。
「ウチナーグチ」などの古くから伝わる沖縄方言は、古い言葉が訛って残ったものです。それに対して「ウチナーヤマトグチ」は古来の「ウチナーグチ」に標準語が混ざり、沖縄の訛りをプラスしてできたハイブリッドな方言になっています。
標準語が混ざっているので沖縄県外の人でも聞き取ることが可能です。しかし標準語に近い為、古くから伝わる「ウチナーグチ」を聞き取れない若者が増えています。
言葉は時代によって変化するものですが、昔から伝わる方言残って欲しいですね。
沖縄方言を守る動きがある
「しまくとぅば」が衰退することは、沖縄文化の衰退に繋がるのです。
沖縄県は文化の衰退を防ごうと「しまくとぅば」を守る動きをしています。
具体的には、このような活動があり
- 9月18日を「しまくとぅばの日」に制定する
- しまくとぅば読本を使用した授業
- しまくとぅば講座の開催
- テレビやラジオにおけるしまくとぅばを使用した番組の制作
沖縄県は普及センターを設立して「しまくとぅば」を守ろうと活動をしているのです。ユネスコの「消滅の危機に瀕する言語」から抜け出そうとしています。
沖縄方言を守り、沖縄文化の衰退を防いで欲しいですね!
まとめ
沖縄方言について歴史や変換方法、一覧、沖縄方言の現在についてまでご紹介をしました。
- 沖縄の方言は、小さい島ごとに独自に発展をしてきた
- 地域によって多少の違いはあるが、沖縄方言への変換は法則がある
- 若者がしまくとぅばを喋れず消滅の危機にある
- 沖縄県でしまくとぅばを守る動きがある
沖縄の方言は、独自に発展を遂げたものの消滅の危機にあります。しかし「しまくとぅば」の消滅は沖縄文化の衰退につながります。
古き良きしまくとぅばが消滅することなく残ってくれることを願うばかりです。