九州・沖縄の「新型コロナウイルス関連倒産」200件に到達
<調査のポイント>
福岡県で96件発生、熊本県で27件発生
月別推移をみると2021年3月、4月、7月が各17件で最多件数
「新型コロナ関連倒産」1件目は2020年3月23日に発生した(株)ニューステップ(沖縄県、民事再生、レンタカー事業運営)
負債が最も大きいのは負債総額約17億200万円の(株)SHI(福岡県、破産、元・ホテル運営受託)
2021年9月29日午後2時現在、新型コロナウイルスの影響を受けて倒産(法的整理または事業停止、負債1000万円以下も含む)した企業が九州・沖縄(以下、九州)で200件〈法的整理187件、事業停止13件〉に達した。負債総額は269億8100万円(判明している171件の合計)で、負債が1億円以上の倒産は64件発生している。
地域別では「福岡県」(96件)が最多。以下、「熊本県」(27件)、「長崎県」(17件)、「佐賀県」(15件)、「大分県」(13件)、「鹿児島県」「宮崎県」(各11件)、「沖縄県」(10件)。業種別では、「飲食店」が31件で最多。次いで「ホテル・旅館」が15件となる。
九州各県に出されていた、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置は解除される方向で進んでいる。しかし、段階的に経済活動の緩和は進んでいくため打撃を受けている業種の早期回復は望めない。それでも、酒類提供や21時まで営業可能となった「飲食業」にとっては、宣言や重点措置が出ていた時期よりも集客力が回復することに期待が持てる。
懸念される業種は「観光関連業」と「ホテル・旅館業」だ。経済活動が段階的に回復される最後に県をまたいでの観光制限の緩和が予想されるため、引き続き厳しい経営環境が続く業者も多いだろう。加えて、観光客の往来
が活発になったとしてもオンラインでの業務が定着した今日において、出張をする機会が減ることは間違いない。ウッドショック等の理由から建設業の新型コロナ関連倒産も増えてきており、引き続き注視していく必要がある。